中等教育研究紀要 /広島大学附属福山中・高等学校 40 巻
2000-03-18 発行

描くことの意味と描画指導に関する考察

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内容記述
中学校・高等学校6カ年の美術の授業から描画について取り上げ, 描くことの意味や指導のあり方について考察する。描くことは事象について認識し, 自己の内的世界を通して何らかの形に昇華する営みであるが, 中学校の描画では, 客観性と感性, それらと描画技術が不整合となる問題, 高校生では自らのアイデンティティを確立しようとするときの表現の葛藤など, 指導上多くの課題に直面する。指導のあり方としては, それぞれの発達段階に応じて描画の機会を適切に与え, ものの見方と表現の方法を多面的に経験させることで, 子どもたちの感性を高め, 多様な創造的能力を伸長することができると考える。このことは青年期の美術教育のカリキュラムを構想する上で重要な視点となる。