新学習指導要領では, 一人ひとりの生徒が, 自立した学習者として主体的に育ってゆけるように, あらゆる状況に対応して生きることのできる力を培うことが求められている。そのためには, 個人が本来もっている知識・体力をはじめとする様々な力を統合し, 「知恵」として総合的・有機的に機能する形に昇華させなければならない。「総合的な学習」は, このような「知恵」として機能する学力を身につけることを求めているが, 「保健・体育」は, 本来, その「知恵」の獲得に対して十分な成果を上げることができる教科である。教師の意図的な働きかけにより, 生徒自らが学び・考えるような内面的な動きを十分に引き出し, 確かな「生きる力」を育てる可能性を, 他のどのような教科よりも多いに秘めていると言える。今回は陸上競技(走り幅跳び)を通し, そのような「保健・体育」の本質を活性化させることをねらいとし, これからの授業のあり方を検討した。