中等教育研究紀要 /広島大学附属福山中・高等学校 34 巻
1994-03-10 発行

日本史教育における世界史的視野に関する基礎的研究 : 新学習指導要領と日本史A

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内容記述
現代の日本社会において,世界の動きを視野に入れずに,環境問題・貿易問題・政治問題などを考えることはできない。言い換えれば,現代日本のあらゆる社会問題は,世界の動きに密接に関連しているということになる。地球の裏側の出来事が一瞬のうちに情報として私たちの目に触れ,耳に入るという現代情報化社会の中で,1つの事象を多角的に,しかも正確に分析・追求できる能力と態度を身につけなければならない。その意味において,現代社会に生きる公民を育成する目的を持つ社会科の重要性は大きく,そして課題も多い。歴史教育,特に日本史教育において,複雑な現代社会の諸問題を多角的に鋭くとらえる能力を育成する際に必要となる比較・グローバルな視点が「世界史的視野」であると考える。今回は,この「世界史的視野」の定義を通じて,授業実践例を提示する。