外国では数年前から『着衣泳』の指導が行われていたが,我が国ではその事例は非常に少なく,指導法はまだ確立されていない。しかし,文部省もその必要性や意義・注意点などを唱える状況に至り,今後各方面での研究・具体的な指導法の確立が急がれるべき情勢となってきた。大切な人命を水難事故から救うために,学校教育の場で我々は何をすべきかということを念頭に置きながら,当校では昨年度より『着衣泳』の授業実践を試みた。今年度は,その反省と課題を踏まえ,着衣して泳ぐことが,各泳法のスピードや動作にどのような影響を与えているのかを明らかにするとともに,複数の学年で着衣泳の指導をモデル的に実施し,中高一貫教育の中でその指導をどのように系統だててすべきなのかを探ってみた。