障害児教育実践センター研究紀要 4 号
2005-12 発行

難聴児童に対する算数文章題の指導に関する研究 : 「問題づくり」を用いた減法問題の指導について <原著論文>

A Study of Instruction on the Arithmetic Word Problems to a Hand-of-hearing Elementary School Child : Using 'Self-made problem' Procedure to the Subtraction Problems
加藤 亜紀子
全文
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Abstract
これまで聴覚障害児の算数学習において、計算はできるが文章題の理解が困難であることがたびたび指摘されてきた。そしてその状況は小学部だけでなくそれ以降の学部においても見られることが指摘されている。そうした状況の改善のためにこれまでいくつかの方法が紹介されているが、そこに関係する要因が複雑であり、必ずしも解決の手だてが聴覚障害児教育において十分に確立されているわけではない。本研究では、文章題に関する理解が困難な1名の難聴児童を対象として、文章題に対する動機付けを高める手段として「問題づくり」の手法を用い、減法の文章題中の数量関係の把捉を視覚的な手がかりを用いながら行うとともに、数的な処理の意識化ができるようにすることを目的に個別に指導を行った。その結果、指導後において解答の立式だけでなく、数量構造の把捉も可能となり、今後の文章題指導の手がかりが示唆された。
著者キーワード
難聴児童
算数文章題
問題づくり
教員関係
テープ図