NICUにおけるFamily Centered Care(以下FCC)は重要である.しかし日本では,FCCという用語そのものの検討は十分なされていない.そこで文献をもとにFCCという用語を検討した.結果,FCCとは,出生した子どもを含めた家族をひとつのユニットとして,ケアの対象と捉え,新たなメンバーとしての子どもを受け入れ,家族が発展することを支えることを重視する.これは専門職と家族との開かれた信頼しあえる関係を基盤に,両者の協動によって展開される.専門職は,権威者としてではなく.親のよきパートナー,ファシリテ一夕ーとして,家族の力を信じエンパワーメントとし,needsにそった個別的で継続的なsupportを提供する.それによって両親が自らの力を信じ.最大限に発揮し,子どもに関するあらゆる医学的問題やケアの意思決定,子どものケア全般に.主体的に快く参加することが可能となるような統合的なケアシステムであると捉えられた.またFCCを困雉にする要素として.スタッフの態度(考え)特に両親への力への疑い/両親の心理的な混乱/医療施設の環境(理念、物理的環境等を含む)等があげられた.しかし,日本ではFCCケア実践の重要性の認識と.現状には欧米以上のずれがあることが示唆され,FCCの捉え方や,現在どのような実践がなされているか.等を家族や専門職両者の視点から探り,そこから,日本なりのFCCのありかたを明確にしていくことが重要であると考えられた.