全国のNICU・GCUにおける看護師-医師間の協働の現状を明らかにすることを目的として,Baggsら(1994)によって開発されたCollabOration and Satisfaction about Care Decisions(CSACD)日本語版を作成し,NICUとGCUの看護師と医師の各管理者を対象とした自記式質問紙調査を実施した.全国の総合周産期母子医療センター89施設と地域周産期医療センター278施設の計367施設の各管理者に質問紙を配布し,CSACDの全項目に回答した看護管理者164名(有効回答率45%),医師の管理者158名(有効回答率43%)を分析対象とした.CSACD日本語版のCronbachのα信頼係数は協働得点と満足得点ともに0。9台で,探索的因子分析の結果,ほぼ原版と同様の因子構造を持つことが確認され,CSACD日本語版は利用可能であると考えられた.本研究の結果では,看護管理者よりも医師の管理者の方が病棟における看護師-医師間の協働の程度やそれに対する満足の程度は高く,看護管理者の得点でのみ施設の地域との関連が見られた.また,所属する看護師のNICU平均従事年数や新生児分野に関する取得資格の割合は,医師のそれらと比較して低かったことから,看護師-医師間の協働をさらに高めるには,新生児看護の専門性を身につけた看護師の育成や人材の定着が必要であると考えられた。