本研究の目的は, 超低出生体重児の両親が出生直後から退院間際までに, 子どもにどのな思いを持ち, どの様に子どもの問題を共有し, どの様な過程を経て親そして家族となって行くかという家族形成過程を明らかにし, その際の看護の示唆を得ることとした.
NICUに入院中の超低出生体重児の両親3組から, 半構成的面接を行い, 分析は内容分析の手法を参考にしながら質的帰納的に行った. その結果, 超低出生体重児の両親の思いを語った内容から, 母親の思いは27カテゴリー抽出され, 父親の思いは23カテゴリー抽出され, 第1期を『家族が危機的状況を乗り越えるまでの時期』, 第2期を『子どもと家族の相互作用が促進されるまでの時期』, 第3期を『家族として子どもを迎え入れる時期』と名づけた. 第1期は, 両親が喪失体験を経験しながらも子どもに出来ることを精一杯しようとしていた. 第2期は子どもとのスキンシップから親と子どもの相互作用が芽生え, 第3期には, 子どもの世話から得られる安心と子どもの予後への不安というアンビバレントな感情を抱きながらも, 子どもを受け入れて新たな家族を形成しようとしていた.
超低出生体重児が出生し退院するまでに家族は, 親と子どもの相互作用を促進させるための関わりを持ち, その場面から考えられる看護の方向性について, 危機を家族で乗り越えられるような支援をしていき, 家族がエンパワメント出来る様な環境作りを行い, 家族の関係性を深める関わりの重要性が示唆された.