本研究は,訪問看護ステーションにおける小児訪問看護活動の現状を明らかにし,今後の課題を明らかにすることを目的とした.全国の看護協会訪問看護ステーションを対象に,半構成型の質問紙調査を実施した.調査結果から小児訪問看護実施上の課題として次の3点が明らかとなった.1)小児訪問看護実施要件についての認識からは,単なる「連携と情報交換」「合同カンファレンス」のみならず,「家族や他職種の小児訪問看護への理解」「家族との信頼関係形成」「退院前の居宅訪問の実施」「退院後の生活を考えた指導」の必要性に対する認識に立脚した実務的な連携を築く必要がある.2)小児訪問看護の実施状況からは,「訪問看護制度に関する訪問看護ステーションからの情報発信と連携への働きかけ」「小児訪問看護の適応の拡大「レスパイトケアや受診同行などの役割充足」が必要である.3)課題解決に導くには,直接的なケア内容の充実化のみならず,訪問看護制度や保険制度の見直しが必要と考えられた.