日本新生児看護学会誌 11 巻 1 号
2005-01 発行

遺伝と人間理解 <特別原稿>

Genetics, a human perspective
長谷川 知子
全文
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JANN_11-1_2.pdf
Abstract
医療者にとって,病気や障害を持って生まれてくることや,家系内に続いてきた病気と向き合うことは耐え難いことのように見える.特に先天奇形や遺伝性疾患を持つ子どもを出産した母親や家族は,罪責感から解放されるために原因と治療探しに没頭する人も少なくない.しかし仮に原因が判っても,それが正しく解釈できなければ不安と混乱は増すばかりである.むしろ,そこからまた新たな問題が生じてくる場合があり,原因が判ればさらに不安は増強されるという悪循環が起こる.本稿では「遺伝」という側面から人間を見つめたいと思う.まず,我々人間はなぜ先天性や遺伝性疾患,障害に対して強い不安を持つのか,社会的背景や人間のものの見方から考察した.さらに,遺伝子ならびに先天異常とは何かについて,偏見を取り除いて整理することを試みた.そして最後に,医療者としてこのような事実を親や家族にどのように伝え対応していかなければならないのか,医療者が陥りやすい問題も踏まえて考察した.
著者キーワード
人間
遺伝
遺伝サポート
診断の伝え方
human being
genetics
genetic support
communication skill
権利情報
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