広島大学生物生産学部紀要 Volume 26 Issue 1・2
published_at 1987-11

Large Quantity Hydrogen Evolution by a Mesophilic Cyanobacterium Lyngbya sp. 108 Strain

中温性ラン藻Lyngbya sp.108株による水素の生産
Nakatsukasa Masae
Kuwada Yoshinori
Murakami Shin
Ohta Yoshiyuki
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Abstract
広島県福山市芦田川河口より、54株のラン藻を分離し、その中から水素生産能の高いNo.108株をスクリーニングした。その形状は糸状でヘテロシスト、分岐はない。No.108株の総水素生産量は、1,120mℓ/g(藻体乾燥重量)、最高時の水素生産速度は、250mℓ/g/day(藻体乾燥重量)であった。生育条件を検討した結果、至適温度36℃、至適pH 9.0、至適照度2,000Lux、至適食塩濃度は16‰であった。また、窒素源としてKNO_3が有用であり、鉄の濃度による生習への影響が認められた。以上より、No.108株は、中温性、淡水性、好塩基性藻類であり、中温他のラン藻Lygbya sp.であることが分った。本No.108株は、密閉系で水素生産を行わせているが、現在までに報じられているラン藻による水素生産は、Flush systemによるものが多く密閉系で高い値を示すものは海水他のMiami BG 7しかない。