本稿は、Vislie(1994)“Efficiency and Equilibria in Complementary Teams” の二人パートナーシップ・モデルをn人パートナーシップ・モデルに拡張したものである。ここでは、Vislieに沿って、各エージェントの努力が代替的であるときのチーム生産の効率性と各エージェントの努力が補完的であるときのチーム生産の効率性を比較する。さらに、エージェントの努力が相互補完的であるチーム生産では、エージェント間に目標の対立が生じることなく、しかも、社会共同体での社会慣習の自発的遵守のように、経済組織である企業組織でも、自己規制的に効率的生産を達成できる可能性があることを考察する。