本稿の目的は,対話型鑑賞法の1つであるVisual Thinking Strategies を用いた,対話的な言語活動の実践を報告し,中学生を対象とした,話すこと[やり取り]の言語活動のあり方を具体的に検討することである。令和4(2023)年度と平成31(2019)年度の全国学力・学習状況調査における,話すこと[やり取り]の結果より,適切な根拠や他者の発言,理解した内容などに基づいて,自分の考えを形成し,表現する力の定着が不十分であることが指摘されている。本稿では,それらの課題解決のため,効果的かつ実用性の高い「互いの考えや気持ちなどを伝え合う対話的な言語活動」の提案に向けて,今後の示唆を示した。