中等教育研究紀要 /広島大学附属福山中・高等学校 60 巻
2020-03-31 発行

教材から知識を問い直す体育理論の授業研究 : オリ・パラからスポーツのあり方を考えよう

阿部 直紀
信原 智之
全文
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Fukuyama-ChutoKyoiku-KenkyuKiyo_60_202.pdf
Abstract
オリンピック・パラリンピックの現実にある対立的テーマについて,新聞資料や映像を用いて多面的に話し合うことを通して,人間にとってのスポーツの文化的価値を理解させることを目的として授業を行った。対立的テーマとして,「五輪とパラリンピックの融合」「スポーツと国の問題」を取り上げた。
正解のない問いを話し合うことで,知識=スポーツの価値やその意義を問い直し,スポーツに対する新たな視点や考え方を見いだし,生徒全員が自分の思考が深まり楽しかったと答えた。ほとんどの生徒が「自分への挑戦」として,あるいは「スポーツを通したコミュニケーション」を楽しむためにスポーツをしていきたいと答え,生徒自身のスポーツへの関わり方を考えることにつながった。