開国後,明治初年に派遣した海外使節は欧米の先進的文化を日本にもたらす契機となり,諸外国に肩を並べる近代化をめざす日本にとって,特に社会インフラの整備は焦眉の急であった。公共の福祉を目的としさまざまな分野で明治政府が推進したインフラ整備は,社会的経済基盤と生産基盤形成において大きな役割を果たした。歴史学習における一般的授業展開方法としての政治史や社会経済史などに偏ることなく,歴史的視点と同時代的視点を習得する総合的歴史学習実践のため,政治や経済を支えた社会インフラをテーマとして日本史Aの一授業を提案する。