前稿において,筆者は,「批判的民主主義」の主体を育てるという社会科目的観に立ち,それを担う当事者としての「戦争を起こした当事者の責任を受け継ぐ関係者」という視点から,近現代日本における戦争について「なぜ,戦争をしたのか?」という問いを立て,戦争という「行為の論理」構造を解明する高等学校「地理歴史科」の教育内容の開発に取り組んだ。本稿では,それに引き続いて,近現代日本における戦争について「なぜ,戦争をすることができたのか?」という問いを立て,戦争を遂行した軍隊とそれを支えた「社会」の構造を解明する高等学校「地理歴史科」の教育内容の開発に取り組む。