本研究の目的は,HOTを終了した幼児期後期から学童期の子どもの母親が,子どもの病状・成長発達をどのように捉えているのかを明らかにすること,幼稚園・保育園や小学校での社会生活を送らせる上でどのようなことを考慮しているのかを明らかにすることであった.対象は,NICU退院後,慢性肺疾患のためにHOTを実施した,幼児期後期から学童期の子どもの母親7名であった.母親に対し,子どもの病状や成長発達,日常生活についての半構成インタビューを実施し,内容を分析した.得られた結論は以下のとおりであった.1.HOTを終了した幼児期後期から学童期の子どもの母親は,幼稚園・保育園や小学校での社会生活の中で,病状は以前よりも好転していると捉えていた.2.幼稚園・保育園に入園した全ケースの母親が,体力面・行動面で他児との違いを感じた経験があった.調査時には,遅れのあるケースも含めて,全員の母親が子どもは成長発達してきていると捉えていた.3.HOTを終了した子どもの母親が,幼稚園・保育園や小学校での社会生活を送らせる上で考慮していることは,体調によっては水泳を控えること程度で,他には特に考慮していることはなかった.