【背景】適切な疼痛管理には評価尺度が必要であるが, わが国には信頼性・妥当性が検証された新生児の疼痛評価尺度がない. 【目的】日本語版Premature Infant Pain Profile PIPPの信頼性・妥当性を検証し, 臨床及び研究で利用可能かを検討すること. 【方法】101名の早産児及び正期産児を対象に採血時にデータ収集を行った. 日本語版PIPPを用いて安静時, 接触時, 穿刺時, 終了時の反応を評価した. 分析は評価者間信頼性, 内的整合性, 構成概念妥当性を検討するために, 級内相関係数の算出, クロンバックa係数の算出, 繰り返しのある分散分析を行った. 【結果】30名の同一穿刺場面を4名の採点者が別々に評価した各項目の級内相関係数は, 0.87-0.93と高く, 内的整合性を示すクロンバックa係数は0.71であり信頼性は保たれていた. また穿刺時の得点は安静時, 接触時, 終了時のいずれの得点よりも有意に高く, 構成概念妥当性をも保たれていた。【結論】日本語版PIPPは, 新生児の疼痛評価尺度として国内での臨床及び研究で, 利用可能であると考えられた.