新生児は皮膚の生理機能が未熟なため, 皮膚トラブルをおこしやすい状態である. なかでも, さまざまな機能がより未熟な超低出生体重児が増加しており, 多くのNICUではそれらの新生児に対する皮膚のケアに難渋しているところである.
NICUでの皮膚トラブルは, (超)低出生体重児の皮膚の脆弱さからおこる感染症や皮膚損傷のみならず, ストーマ造設や陰部臀部周囲のトラブルなどさまざまである. よって, われわれ医療者は, 新生児の皮膚損傷を起こさない予防的ケアはもちろんのこと, 苦痛を和らげるためのケア, 皮膚傷害発生時には速やかに治癒できるように関わっていかなければならない.
成人看護の領域では, 褥瘡予防対策が必須となっているが, 新生児の皮膚ケアに関しては, 水分管理や感染防止対策などの全身管理方法の違いが加味されるため, まだまだ統一したケアが確立していないのが現状である. しかし最近では, 皮膚の脆弱なNICUの新生児を対象に, 皮膚排泄ケア認定看護師が積極的にかかわり予防的な皮膚ケアを実践している施設も増えてきている.
そこで, 今後のケアに活かすために, 新生児の皮膚ケアの基本と積極的に皮膚ケアを実践している施設での取組を報告してもらい, 情報を共有しスキルアップを図り, 適切なケアに結びつく場としたいと考えた.