学部・附属学校共同研究紀要 45 号
2017-03-31 発行

小中接続を意図した確率単元・カリキュラムに関する研究 : 確率概念を想起する数学的活動を通して

The research of probability unit and curriculum with the intention to connect Elementary to Secondary School.: Through mathematical activities that recall probability concept
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AnnEducRes_45_237.pdf
Abstract
刻々と変化する現代社会において,不確定な事象を数学的に考察し,判断する能力は必要不可欠である。本研究では,児童・生徒が確率概念を想起することができる小中接続を意図した算数・数学的活動を行うカリキュラム・授業構成の方法を構築することを目的とする。
小中接続を意図した児童・生徒が確率概念を想起することができるような算数・数学的活動を行うカリキュラム・授業構成の方法を構築に向け,本稿では,小学校1年,6年,中学校2年と言う学習の入口,学習の接続,確率の数学的定義を行う3つの学年で目標の設定,授業構成・実践を行い,主に3点の課題を見出した。それは小学校の初期段階から確率概念に繋がるような内容を取り扱うことが可能であり,身近な事象や遊びなどを取り入れることで面白さを体感することができること,小中の接続の内容が曖昧で,中学校での学習との棲み分けが難しいこと,中学校における数学的確率における仮定の設定への意識が低いことが挙げられた。今後はこれらのことを踏まえ,単元・カリキュラムの構築をするために,さらなる理論的整備・授業実践が課題として残っている。
Abstract
In this research, it aims to construct curriculum that elementary and junior high school students can recall probability concepts with the intention to connect Elementary to Secondary School. In this paper, we set goals, planed lesson, practiced lesson for first grade, six grade, second grade of junior high school. As a result, three problems were found. The first is that class linked to probability concept are possible in first grade. The second is that it is difficult to devide contents of probability of six grade and secondary school. The third is junior high school students are less conscious of assumption setting. Based on these three points, it is the next task that organize and practice lesson, construct curriculum.
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