本研究は,携帯電話によるe-learningを併用した「妊婦用禁煙支援プログラム」に参加した妊娠22週未満の喫煙妊婦52名を対象としたインタビュー調査を実施し,禁煙へのプロセスに影響する因子について,禁煙達成群(禁煙G)と禁煙非達成群(非達成G)の言動を,内容分析を参考にして比較検討した.その結果,禁煙導入時は,両群において対象者の多くが「禁煙への決意」を述べ,動機づけの高さが示された.特に禁煙Gは,禁煙開始後1ヵ月には,「妊娠を機に節煙している」,「夫も禁煙に協力,一緒に禁煙する」などのデータが抽出され,3ヵ月後には,「このまま禁煙できる」などの禁煙を実行し,達成した言動を認めた.一方,非達成Gは,プログラム導入時に述べた「禁煙の決意」に相当する言動は,禁煙開始後1ヵ月には減少し,さらに禁煙開始後3ヵ月には著しく減少し,禁煙行動への意欲が経時的に減少するプロセスを示した.また,禁煙継続への阻害因子は,禁煙開始前から非達成Gの方が禁煙Gと比較して多く抽出され,阻害因子を多く持っている事が明らかになった.