廣島大學經濟論叢 46 巻 3 号
2023-03-10 発行

厳罰化で犯罪を抑制できるのか : Rasmusen (1996), “Stigma and Self-Fulfilling Expectations of Criminality” のレビュー

Should Criminals Be Punished Severely?: A Review of Rasmusen (1996) “Stigma and Self-Fulfilling Expectations of Criminality”
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Abstract
有罪判決を受けた被告(その結果としての犯罪者)は公的な刑罰を受けるだけでなく、犯罪者の烙印を押されること、すなわち、他の人々が彼と経済的あるいは社会的な相互作用を持つことの嫌悪感に苦しめられることになる。有罪判決は、有罪判決を受けた当該個人に関する有用な私的情報を伝達することになる。そして、このことは(犯罪者に汚名を着せることは)、道徳的問題は別にして、刑事司法制度に具備する重要かつ正当な機能ということがいえるかもしれない。しかしながら、汚名・烙印の強度は、期待賃金および犯罪率に依存して決まる。そして、このことは、異なる犯罪率を持つパレート順位付け可能な複数均衡を生じさせることになる。
内容記述
研究プロジェクト(課題番号:26380462)への日本学術振興会の学術研究助成基金助成金の資金援助に深く感謝いたします。本レビューは、同研究プロジェクトの遂行にあたりなされた、一連の文献レビューの一環であり、本稿は、主として、Eric Rasmusen, “Stigma and Self-Fulfilling Expectations of Criminality,” Journal of Law and Economics, Vol. 39, No. 2, 1996, pp. 519-543を概括したものである。
著者キーワード
JEL classification : A12
JEL classification : C70
JEL classification : J30
スティグマ
厳罰化
犯罪記録の開示
権利情報
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