廣島大學經濟論叢 45 巻 3 号
2022-03-10 発行

金銭的報酬は非金銭的動機付けにどのように作用するのか : Janssen and Mendys-Kamphorst (2004) “The Price of a Price”のレビュー

How Do Evolutionary Games Explain the Detrimental Effects of Extrinsic Reinforcement on ‘Non-pecuniary Motivation’?: A Review of Janssen and Mendys-Kamphorst (2004) “The Price of a Price”
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Abstract
本稿では、金銭的インセンティブの導入が個々人の社会的承認欲求に及ぼす影響を考察する。社会を構成する(利他主義者および利己主義者の)すべての個人が社会的承認を重要視するとき、彼らが、貢献の社会規範を遵守するよう(支援するため)、金銭的インセンティブ(価格)を導入することは、実際には、利他主義者の貢献者数を減少させる可能性があることを明らかにする。このとき、貢献者数の低減に歯止めをかけるため、金銭的インセンティブを中断したとしても、貢献の社会規範を回復させるどころか、貢献水準をさらに低下させるかもしれない。しかしながら、貢献の社会規範が消滅した状態でも、高価格を導入することで、そして、その後、漸次的に価格を低下させていくことで自発的な貢献を回復させることが可能かもしれない。しかし、そのような金銭的インセンティブの導入は、極端にコストがかかり、しかも、それが成功するかどうかは不確かである。
内容記述
研究プロジェクト(課題番号:26380462)への日本学術振興会の学術研究助成基金助成金の資金援助に深く感謝いたします。本レビューは、同研究プロジェクトの遂行にあたりなされた、一連の文献レビューの一環であり、主として、Maarten C. W. Janssen, and Ewa, Mendys-Kamphorst, “The Price of a Price: On the Crowding out and in of Social Norms,” Journal of Economic Behavior Organization, Vol. 55, Issue 3, 2004, pp.377-395を概括したものである。
著者キーワード
JEL分類:I18
JEL分類:D10
JEL分類:Z13
社会規範
内発的動機付け
外在的モチベーション
社会的承認欲求
権利情報
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