本稿では,徳之島の闘牛大会における観客を対象に,彼らが闘牛とどのような関わりを持ち,どこから,いかなる動機で大会に足を運んでいるのかを2回のアンケート調査の結果をもとに解明した。その結果,観客層は,大きく分けて牛主の関係者=特定の牛主の応援者,闘牛ファン=特定の牛の応援者の2つがあることが分かった。大会に来た回数では10回以上と答えた回答者が最多で,リピーターが多かった。全国闘牛サミットの記念大会では初めて来た観客が多く,こうした他の開催地との連携などの工夫が,新たな観客の誘致につながるといえる。初めての観客からは闘牛の雰囲気になじめないとの記述もあった。さらなる観客を獲得するために,初めての観客に「応援したい牛」や「応援したい牛主」を持たせるための工夫を提案した。