本論文第一報にて我々はNICUに入院した低出生体重児の入院予測日数を2病院の出生体重と入院日数のデータをもとに指数関数の曲線回帰式から算出する方法を報告した.
本論文は①第一報で報告した回帰曲線の入院日数予測は, その後に入院した低出生体重の入院日数予測に実用可能だったか ②両病院NICUは移設・移転しており, そのことは入院予測日数に影響したか ③入院予測日数は両施設でどう異なるかを示し, 指数式回帰曲線からの入院日数予測の臨床応用において考慮する条件を検討するとともに, 施設毎に入院予測日数を算出する必要性を述べることを目的とした.
先行研究以後にNICUに入退院した低出生体重児N病院670人, R病院280人の出生体重と入院日数のデータからPASW.18により指数方程式による回帰曲線を出力させ入院予測日数をもとめた.
N病院では先行研究の入院予測日数の回帰曲線は今研究のNICUに入院した低出生体重児の指数モデルの回帰曲線とほとんど変わらず, 先行研究の入院日数予測はその後入院した低出生体重児の入院予測として実用可能であった. また先行研究以後の入院予測日数の回帰曲線は移設前後でほぼ等しく, 移設の影響はほとんど見られなかった.
一方, R病院では先行研究と移転後の回帰曲線は大きく異なり, 先行研究の入院予測は移転後の入院日数予測には適応できなかった. また, 移転後も入院予測日数の回帰曲線はまだ変動がみられ, 臨床応用するには今後も入院予測日数の見直しが必要であることを示唆した.
N病院とR病院の回帰曲線は異なっていたことから, 各施設で回帰曲線を作成し入院予測日数を求めることが正確なクリティカルパス作成につながる.