われわれは平成21年度「母と子のすごやか基金」研究助成により, 「医療的ケアを要する子どもの在宅療養支援体制の整備に関する基礎調査」を実施した. その一環として, 子どもの在宅療養支援に先進的に取り組んでいる施設見学を行った. その中から, あおぞら診療所新松戸(千葉県松戸市), NPO法人レスパイト・ケアサービス萌(神奈川県横浜市), 重症障がい児者レスパイトケア施設うりずん(栃木県宇都宮市)の3カ所について報告する.
あおぞら診療所新松戸では, 多くの小児を含む訪問診療, 訪問看護に同行した. 成人では介護保険によりある程度整備されている在宅サポートシステムが, 小児ではきわめて未整備なこと, 訪問診療や訪問看護は, 子ども・家族と病院側の両方の負担軽減につながることを認識した.
NPO法人レスパイト・ケアサービス萌では, レスパイト目的の訪問看護・訪問介護に同行した. 同じ看護師が訪問看護の後, そのままヘルパーとして数時間滞在することで, 長時間のレスパイトを可能にしていた. 在宅レスパイトは, 施設不足などの問題を解決する一つの方法になり得ると感じた.
重症障がい児者レスパイトケア施設うりずんでは, 在宅人工呼吸を含む医療的ケアを要する子どもの日中預かりレスパイトを見学した. 預かりレスパイトに対する家族のニーズや, それに応える側の工夫や配慮について知ることができた.
なお, 調査全体の報告書は, 「
http://hirokinanjo.com/doc/report_01.pdf」よりダウンロード可能である.