本研究は, 早産児の経口哺乳準備期間における口腔刺激プログラムが, 経管栄養から経口哺乳への移行において, その期間を短縮できるかなどの影響について検討することを目的とした. 在胎34週未満で出生した合併症のない早産児を対象に, 口腔刺激プログラムを行った群(以下, 口腔刺激群)とNon-Nutritive Suckingを行った群(以下, NNS群)の2群に分けた。両群の経口哺乳開始から経口哺乳成功・胃管抜去・コット移床・退院までの日数その時の日齢・修正週数・体重の有意差, および, 経口哺乳開始から7日目までの吸畷緩慢・むせ・飲みこぼし・努力呼吸・酸素飽和度の低下の症状が出現した回数の有意差を検討した. 8回/日の経口哺乳を成功するまでにかかった日数は, 口腔刺激群9±8日, NNS群6±2日, そのときの日齢は, 口腔刺激群24±6, NNS群33±12, 修正週数は口腔刺激群35週6日±1週0日, NNS群35週6日±0週3日, 体重は口腔刺激群1802±207g, NNS群1630±297gであり有意差は認められなかった. 他の項目においても2群間で有意差はなかった. 本研究の対象は在胎週数が比較的進んだ事例が多かったため, 出生時にある程度哺乳行動の準備が進んでいた可能性があり, 経管栄養から経口哺乳への移行において特別な援助を必要としなかったと考えられた.