周産期医療の実践現場では, 妊娠期から継続した, 親子関係・愛着形成, 危機反応や悲嘆反応, ジレンマを伴う意思決定, スピリチュアリティに対応し得る包括的アプローチとしてのファミリーケアが必要である. しかし, この実践のための包括的教育プログラムはない. そこで, 看護者が認識するファミリーケア実践上の問題および研修へのニーズを明らかにし, 周産期ファミリーケア教育プログラムを作成することとした.
調査は, 郵送法による構成型質問紙(一部自由記)調査とし, 2008年3月18日から2008年4月18日までの期間で実施した. 対象は, 臨床看護に従事する日本新生児看護学会会員576名とした. 質問内容は, 勤務場所, 経験年数, 周産期ファミリーケアに関する問題, ファミリーケアに関する研修会へのニーズとした. 分析は記述的に行った.
質問紙は215名から回収した(回収率37.3%). 回答が半数を超えたのは, よく挙がるファミリーケアの問題として「親が子どもの病気や経過, 治療・ケア内容を正しく理解できない」と「面会回数が少ない」, ファミリーケアの実践で難しいと思われることとして「実施したケアの結果を確認できないので, "あれでよかったのか"と不全感が残る」, 希望する研修内容として「NICUに入院した子どもの母親・父親の意思決定を支えるための介入やケア」「NICUに入院した子どもの母親・父親の危機状況に対する介入やケア」「親・家族との面接・カウンセリング技法」「NICUに入院した子どもが死亡, あるいは死が切迫した場合のケア」であった. これらの結果から, PBL, ロールプレイ, 事例検討, 討論を含む1か月間の周産期ファミリーケア教育プログラムを作成した,