草類の硫黄欠乏症発現と植物体の硫黄含有率および土壌の硫黄供給可能量との関連

日本土壌肥料學雜誌 58 巻 3 号 343-349 頁 1987-06-05 発行
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ファイル情報(添付)
JpnJSoilSciPlantNutr_58_343.pdf 524 KB 種類 : 全文
タイトル ( jpn )
草類の硫黄欠乏症発現と植物体の硫黄含有率および土壌の硫黄供給可能量との関連
タイトル ( eng )
Studies on the Sulfur Nutrition of Forage Crops (1) : Relationships between S Deficiency Sympotom of Grasses and Scontents in Leaves and Supplying Capacity of Soils
作成者
尾形 昭逸
小林 省吾
収録物名
日本土壌肥料學雜誌
58
3
開始ページ 343
終了ページ 349
抄録
土壌のS天然供給量を把握し, 草類のS欠乏症発現と植物体のS含有率および土壌のS供給可能量との関連を明らかにする目的で, 中国地域に分布する鉱質土壌と黒色火山灰土壌を供試し, S施与量を4段階に変えて土耕ポット試験を行った. ソルガムとシコクビエを栽培し, 播種後54日目と82日目に量草種の乾物重, S, N含有率, 栽培前後の土壌中のS含有量などを測定した. 1. 両草種の乾物と蛋白質収量はS施与量の増加に伴って, 鉱質土壌では増加し, 黒色火山倍土壌ではほとんど変化しなかった. 2. 両草種のS吸収量はS施与量の増加により増加し, 特にシコクビエで顕著に増加した. 3. S無施与区における栽培前後の土壌の全S含量と草類のS吸収量から求めた土壌のS天然供給量は鉱質土壌では5mgS/kg乾土, 黒色火山灰土壌では58mgS/kg乾土であった. 4. 有機物含量が低く, S天然供給量の低い鉱質土壌のS:0, 10kgS/ha区では両草種ともに再生長時の生育が不良で, N欠乏と類似の葉色(黄色)を呈した. この時の両草種の葉身のSO_4-S含有率は50ppm以下と低く, 非蛋白態N含有率が著しく高く, 栽培後の土壌の可給態S含量は1mgS/kg以下と著しく低かった. 以下の結果, ソルガムやシコクビエでは葉身のSO_4-S含有率が50ppm以下に低下すると葉が黄化し, S欠乏により蛋白質や乾物生産が低下する, S天然供給量推定値が5mgS/kgと低く, 腐植含量も著しく低い硬質土壌では草類のS欠乏が生じやすいことが明らかとなった.
著者キーワード
硫黄栄養
硫黄欠乏症
硫黄限界含有率
硫黄供給可能量
NDC分類
農業 [ 610 ]
言語
日本語
資源タイプ 学術雑誌論文
出版者
社団法人日本土壌肥料学会
発行日 1987-06-05
権利情報
Copyright (c) 1987 社団法人日本土壌肥料学会
本文データは学協会の許諾に基づきCiNiiから複製したものである
出版タイプ Version of Record(出版社版。早期公開を含む)
アクセス権 オープンアクセス
収録物識別子
[ISSN] 0029-0610
[NCID] AN00195767
[NAID] 110001751181 ~の異版である