労働者の肯定的再解釈コーピングを促進する要因に関する縦断的検討 <論文>

Exploring factors associated with frequency of positive reframing for workers : A longitudinal study

大塚 泰正

鬼頭 愛子

堀 匡

広島大学心理学研究

Hiroshima Psychological Research

[PISSN] 1347-1619

[EISSN] 2759-0968

[NCID] AA11616129

本研究では, 労働者の肯定的再解釈コーピングを促進する要因について, 探索的に検討した。中国地方のエネルギー関連会社に勤務する労働者97名を対象に, 2週間の間隔を置いて, 2回の質問紙調査を実施した(T1, T2)。T1時点における各変数間の相関分析の結果, ストレッサーでは仕事の適性度が高いほど, 心理的ストレス反応では抑うつ感が低く, 活気, ポジティブ感情が高いほど, ソーシャルサポートでは配偶者・家族・友人からのサポートが多いほど, 肯定的再解釈が実行されやすいことが明らかになった。T1時点の仕事の適性度, 抑うつ感, ポジティブ感情, 配偶者・家族・友人からのサポートを説明変数, T2時点の肯定的再解釈を基準変数とする共分散構造分析の結果, ポジティブ感情から肯定的再解釈への有意な正の直接効果のみが認められた。以上のことから, 肯定的再解釈の実行には, 特にポジティブ感情が促進的な効果を及ぼしている可能性が示唆された。

肯定的再解釈

ポジティブ感情

ストレッサー

ソーシャルサポート

労働者

心理学 [ 140 ]

日本語

広島大学大学院教育学研究科心理学講座

[ISSN] 1347-1619

[NCID] AA11616129