本報告は,2016 年7 月2 日と5 日,学習システム促進研究センター(RIDLS)が主催した講演会「アメリカの教育改革と学校教育の再設計-シカゴ実験学校の21 世紀型学習-」の概要を述べたものである。
講演会のプログラムと概要を解説したうえで,その成果を述べた。成果として次の3 点を指摘した。
(1)1896 年,デューイによって設立されたシカゴ大学実験学校は,彼の教育についての考えを実際の教育現場で進めることであったが,その後もデューイの進歩主義教育を実践する学校として続いている。
(2)現在のシカゴ大学実験学校も,進歩主義教育の理念を継承し,経験の再構成,生活と経験,とくに,教科や教材と経験の相互関係を踏まえ,子どもの中心の教育を推進している。
(3)教科の教育もその役割を継承し,知識教授とともに経験の再構成,創造を果たすものとして進められており,社会科,美術科もその役割を担っている。