鶏卵の卵殼膜の形成機構が,主として走査電顕によって,一部は銀染色によって形態的に観察された.
卵殼膜の形成は,卵管の峡部起始部において,先ず細線維とこの間隙を埋めるムチン様基質の構成によって始まった.この線維網が内卵殼膜の内層となった.峡部中央部で,内層の上にやや太い線維が加わって,内卵殼膜の外層が形成された.峡部末端部で,更に太い線維が加わって,外卵殼膜が形成された.
卵殼膜は,卵管峡部で形成を終わった。卵管子宮部では,既に完成した卵殼膜の上に,卵殼形成が進行した.
完成した卵の卵殼膜は,内側から外側に向かって,内卵殼膜内層,内卵殼膜外層,外卵殼膜の3層に大別された.