日本における水産業の現状を各種統計質料に基づいて、国内的に国際的に解説し、沖合漁業における回遊性の魚は資源の変動が大きく、また海洋新秩序が定着して遠洋漁業は厳しい状況下にあるが、需要の強い高中級魚介類は沿岸水域に多いことから、水産物の安産供給を図るためには生産力の高い沿岸水城の有効利用が従来以上に重視される。このため、従来の獲る漁業に加え、選り育てる漁業の推進が必要になっている。水産物には人の健康保持に必要なバランスのよいタンパク質、各種ミネラル、ビタミン類を豊富に含むほか、最近になって明らかさこなった肥満、心筋・脳梗塞等の血栓症、高コレステロール・高中性脂肪症等の成人病予防に効果のあるエイコサペンタエン酸(EPA)等高度不飽和脂肪酸が含有され、世界的にその評価が高まっている。その故に、増養殖される魚介類等水産物の脂質中EPA含有量を如何にして高めることができるか等について考察した。