廣島大學經濟論叢 31 巻 3 号
2008-03-18 発行

人民元切り上げ及び中国の証券市場への影響についての分析 <論説>

Chinese Yuan Revaluation and the Effects on Security Markets
張 信
奥田 麻衣
全文
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Abstract
近年、人民元の切り上げ問題をめぐって、様々な国際世論が日に日に高まってきた。特に、2007年以降国際社会諸国は一層人民元の切り上げ問題に強い関心を持ち、中国政府による人民元の制御が緩和されることを望んでいる。本稿では、人民元切り上げに影響する要素、すなわち中国経済の持続的高度成長、国際収支上の巨額な輸出超過、人民元切り上げに対する市場の予想、国際投機資本の大量流入などの要素を検討することから着手して、人民元の将来の動向に関する分析を行う。そのうえで、人民元の傾向に影響する主要な要素を変数として実証分析を行うことで、人民元為替レートの変動に影響する変数間の内在的関係を探し出すことに努める。最後に、人民元の切り上げによって、中国証券市場と主要な上場会社の業績に与える影響を分析し、人民元の価値上昇がもたらす諸問題への政策対応を政府に進言する。
著者キーワード
人民元切り上げ
経済成長
国際資本
証券市場
単位根
共和分
granger因果関係