中等教育研究紀要 /広島大学附属福山中・高等学校 61 巻
2021-03-31 発行

『源氏物語』夕顔巻の教材化について : テキストとの対話をめざして

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Fukuyama-ChutoKyoiku-KenkyuKiyo_61_148.pdf
Abstract
教科書に採録されている『源氏物語』夕顔巻は,「なにがしの院」にて夕顔が物の怪に取り殺される場面が多い。本場面は,夕顔巻の「クライマックス」(新編註)と評されているように,想定外の物語展開や精緻な情況描写が読者を惹きつける。しかし,夕顔巻が読者に問いかけ,思考させようとしている場面は他にもある。また,源氏の君ではなく,夕顔に焦点を当てた読み方も可能である。そこで,本稿では,学習者が『源氏物語』をただ面白く読むだけでなく,テキストの問いかけや呼びかけを発見し,そこからテキストとの対話が行われることをめざして,『源氏物語』夕顔巻の教材化について検討する。