国語科教育におけるテキストの「読み」の対象は,テキストの開く「問題領域」(テキストの問いかけ)とテキストの「見方・考え方」(テキストの呼びかけ)との二つに区分される。本稿で掲げた「読みの構え」の育成とは,その二つを区分する「構え」を身につけさせることを狙いとしている。その「読みの構え」を育成する授業のなかで,学習者がテキストからどのような「問題領域」を引き出すのかということが課題としてみえてきた。そこで本稿では,中学3年生がテキストからどのような「問題領域」を引き出すのかということについて報告したい。