広島大学東広島キャンパスにおける蝶相の把握,および蝶類の出現状況と環境との関係の解明を目的として,2020 年4 月から2021 年12 月にかけてルートセンサス法により蝶相を把握するとともに,調査エリアについての多様度・類似度を算出した。調査対象地として,先行研究を参考にした4 つの環境区分(人工的環境・圃場環境・半自然的環境・自然的環境)をもとに,9 つの調査エリアを設定した。本調査の結果,準絶滅危惧種のオオムラサキを含む53 種が確認された。多様度・類似度の算出から,自然的環境における種多様性が最も高く,環境毎に出現する蝶類の種組成に一定の傾向がみられることが示された。