障害児教育実践センター研究紀要 Issue 5・6
published_at 2008-03

聴覚障害幼児に対する文字の指導に関する研究(2) : ろう学校教育相談部・幼稚部を対象とした2003年度調査を通して <原著>

A State of Affairs of Literacy Teaching to Deaf or Hard of Hearing Kindergarten and Preschool Children Who Attend Deaf Schools (2) : Based on the Year 2003 Survey for Teachers Working at Divisions for Educational Counseling and Kindergartens of Deaf Schools
Yamashita Mutsuko
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CSERP_5-6_25.pdf
Abstract
近年の聴覚障害教育、特にろう学校の教育場面においては、手話、指文字がコミュニケーション手段として用いられるようになり、改めて書記日本語の尭得のための手だてについての検討が求められている。特に日本語の読み書きの出発であるひらがな文字の導入を幼児期においてどのように行うかは、これらの課題といえる。本稿は、2000年度に全国のろう学校幼稚部を対象として実施した、文字の使用に関する調査を受けて、2003年度に実施した同様の調査の結果について報告するものである。手話の導入率は、前回調査よりもさらに増加していた。また、文字の提示開始時期についても早まっていることが示された。これに伴い、読みの指導も年少段階からの開始が多く見られた。他方で、読み指導を幼稚部において指導の一部として位置づけている学校と、取り立て指導を行わない扱いとなっている学校とがあり、必ずしも文字指導に対する捉え方が同じではないことが伺えた。また、文字の指導の考え方も、生活の中でいわば自然に行うという考えに基づいている場合が多いことが伺えた。
Keywords
聴覚障害幼児
ろう学校
文字提示
読み指導