わが国における『生涯スポーツ』概念の実情と学校体育との関連について(III) : 学校文化論と健康概念にかかわる教科目標論の視点から

日本教科教育学会誌 19 巻 4 号 173-181 頁 1997-03-25 発行
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タイトル ( jpn )
わが国における『生涯スポーツ』概念の実情と学校体育との関連について(III) : 学校文化論と健康概念にかかわる教科目標論の視点から
タイトル ( eng )
A Study on the Relationship between Social Movement of Life-time Sports and School Physical Education in Japan (3)
作成者
松岡 重信
李 捷
収録物名
日本教科教育学会誌
19
4
開始ページ 173
終了ページ 181
抄録
体育の教科目標に関連して, 学校文化や健康概念のとらえ直しから議論を展開した。体育授業にかかわって教科の目標とか, 単元目標とかも, 具体的な素材としてのスポーツを対象化しながら論じていくしかないと思われた。なお, その際でも, 直接的には「健康」も一義的な意味をもちえず, したがって, 直接の目標には設定しえない。スポーツそのものの中に「教える意味」と「学ぶ意味」を正当に, かつ過程的に位置づけられることが求められていると考える。その正当性とはどこからどのような論理で導かれるかといえば, 現時点では, 次のように考えざるを得ない。

1)体育授業の実践家達の成功事例から実現可能な目標を導出すべきである。そして, 成功という時の「内容」「方法」「条件」ともに「成功」といわしめる基準の確認も重要な観点になる。

2)「自己学習力」は, われわれにまず存するものであって, 〈ある〉とか〈ない〉とか, ないから〈育てる〉とかの論理ではない。われわれ自身の「内」と「外」との相互作用に加えて, 自らの「内なる自己」とのコミュニケーションと相互作用を問題にすることになる。

3)したがって, 「選択制」という授業の方法の検討よりも, どれだけ教師にも子どもにも「意味」のある「関係」を授業のなかに位置づけていくかとする個々の特殊な課題を再把握する方が, 遥かに普遍的で重要な課題解決につながる。

4)そういった関係性の重視という観点から, われわれは, 学校文化・生徒文化というものも, 授業の論理に引き寄せていくことを要求されるだろう。
This paper was envisioned to discuss about the objectives of physical education and also to determine and make appropriate theoretical models on health concepts of sports activities in the school. The health concepts can not be considered appropriate to our sports education in the school. Teachers must then set the meaningful relationship in the teaching-learning process of physical education for both the components as teacher and student. We should also reduce the meaning and the resonabilility from actual sucessful physical education.

1) We should select successful practices, and find out the "contents", "methods" and "criterion" of execellent teaching-learning process in physical education.

2) Since we and the students have a "self-oriented learning power" within ourselves, then we must discuss the quality of communication of "I" and "ourselves" not only about the other people.

3) It is more important to discuss about the problems to what is "meaningful to teachers" and those that are "meaningful to students" among the sports activities in school physical education than the "methods" of the optional systems.

4) The school and student cultures would require our teachers to exert their effort to introduce the didactic theory from the view point of the variety of communication and relationship styles.
NDC分類
教育 [ 370 ]
言語
日本語
資源タイプ 学術雑誌論文
出版者
日本教科教育学会
発行日 1997-03-25
権利情報
Copyright (c) 1997 日本教科教育学会
出版タイプ Version of Record(出版社版。早期公開を含む)
アクセス権 オープンアクセス
収録物識別子
[ISSN] 0288-0334
[NCID] AN00247430