小型放射光源用入射器マイクロトロンの研究開発
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ファイル情報(添付) |
diss_Hori_Microtron.pdf
42.7 MB
種類 :
全文
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タイトル ( jpn ) |
小型放射光源用入射器マイクロトロンの研究開発
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タイトル ( eng ) |
R&D of Injector Microtron for Compact SR Ring
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作成者 |
堀 利匡
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抄録 |
1980年代に半導体産業で有望視されていた次世代ULSI製造用の露光技術、X線リソグラフィーに適した新しい光源として、産業用小型放射光源(SRリング)の研究開発が盛んに行われた。波長1nm近辺の大強度軟X線源として使用するSRリングであり、何よりも小型で操作・保守等が容易な安定した光源であることが求められた。そのひとつにエネルギー650MeVの電子ビームを蓄積するように設計されたAURORAと呼ばれる超小型リングがある。どれほど小さいかは、蓄積電子の周回軌道直径がわずか1mに設定されていることから想像できる。本論文はその入射器として新たに開発された加速エネルギー150MeVのレーストラック型マイクロトロン(図F-1)に関するものである。本装置はこれまでに4台製作され、すべて現在でも稼動中である。著者をはじめとする10名近いプロジェクトチームが数年にわたって実施した当時のR&Dの結果である。
SRリングの入射器として、通常よく用いられるライナックでなく、マイクロトロンを採用した最大の理由はそのコンパクトさにある。リングからの要求電流値がピーク値数mA程度で良いというのも、大電流より高品質ビームの供給を得意とするマイクロトロンの特性と合致した。それまでにもWisconsin大で1GeVリングAladdinの入射器に108MeVマイクロトロンが、またLund大でもSRリングMAXに100MeVマイクロトロンが使われており、前例はあった。最大の違いは入射エネルギーを高くしたことであり、150MeVという値は従来のマイクロトロン入射器と比較して約1.5倍に相当する。基本的にマイクロトロンの加速エネルギーをアップすることは装置製作時の難しさが増すことを意味するので、仕様の決定には細心の注意を払った。即ち、加速周回中のビームの振舞いを調べるため、独自のシミュレーションコードを準備し、詳細な軌道計算を行うことによって、ビームの挙動を逐一把握できるように努めた。また、実機の製作においては、産業用装置という観点から、調整運転や日常操作の安定性・容易性にも配慮した。 本マイクロトロンは、入射器とは全く概念の異なるMainz大の巨大な原子核実験用CWマイクロトロン(3段カスケードで最終到達エネルギーが855MeV)を除いて、単段で最も高エネルギーまで加速できるパルス運転のマイクロトロンである。入射時(E~0.1MeV, γ~1.2)と引出ビーム(E=150MeV, γ=295)のエネルギー比で約250倍、周回当り加速エネルギー(ΔE=6MeV)との比で25倍に相当し、共に従来の値を更新した。累計4台製作された装置の基本仕様は同じであるが、最大引出電流を10mAに設定したHiSOR向け入射器や、前段の入射系にフォトカソードRFガンを導入しミクロ単バンチ加速を行なっている装置も含まれている。また、中型SRリング(1~2GeV級)の入射器にも適用し得る引出エネルギー300MeVのマイクロトロンも、今回の設計方法に準拠して検討した結果、容易に実現可能であることが判明した。 本研究のまとめ(成果): ・入射器用のパルスマイクロトロンで、従来比1.5倍のエネルギー150MeVを実現した。 ・独自のシミュレーションコードにより、マイクロトロンの最適設計を可能にした。 ・操作が容易で安定性に優れた実用的加速器であることを4台の実績で示し得た。 |
NDC分類 |
電気工学 [ 540 ]
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言語 |
日本語
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資源タイプ | 博士論文 |
権利情報 |
Copyright(c) by Author
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アクセス権 | オープンアクセス |
学位授与番号 | B111 |
学位名 |
博士(工学)
Engineering
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学位授与年月日 | 2003-03-24 |
学位授与機関 |
総合研究大学院大学
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