ポジティブな自伝的記憶の想起が感情に及ぼす効果 : 記憶の重要度と鮮明度及び想起者の抑うつ傾向の影響

広島大学心理学研究 7 号 1-10 頁 2008-03-31 発行
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タイトル ( jpn )
ポジティブな自伝的記憶の想起が感情に及ぼす効果 : 記憶の重要度と鮮明度及び想起者の抑うつ傾向の影響
タイトル ( eng )
Effects of positive autobiographical memory on moods: The role of the importance and vividness of memory, and its dependency on depression
作成者
高野 義昭
収録物名
広島大学心理学研究
Hiroshima Psychological Research
7
開始ページ 1
終了ページ 10
収録物識別子
[PISSN] 1347-1619
[EISSN] 2759-0968
[NCID] AA11616129
抄録
自伝的記憶には、ポジティブな記憶を想起することで、ネガティブ気分を緩和することができるといった感情制御機能がある。本研究は、自伝的記憶の想起による感情制御について、記憶の重要度そのものが影響するのか、重要度が鮮明度を介して影響するのかを検討することを第一の目的とした。また、抑うつ患者などにおいて、詳細な自伝的記憶の想起が困難となる概括化という症状が知られている。そこで、抑うつ傾向が、自伝的記憶の感情制御機能にどのような影響を与えるのかを検討することを第二の目的とした。実験参加者は、気分尺度と抑うつ尺度に回答した後、"学校"に関連したポジティブな自伝的記憶の想起を行なった。想起後、想起された記憶の重要度と鮮明度の評定を行い、その後、もう一度気分尺度に回答した。実験の結果、自伝的記憶の重要度が鮮明度を介さずに気分の変化に影響を与えていることが示された。また、抑うつ傾向の高低によって、気分の変化に寄与する記憶の性質が異なる可能性が示唆された。自伝的記憶の感情制御機能について検討する際には、想起する記憶の性質とともに、想起者の特性についても考慮する必要が示された。
著者キーワード
自伝的記憶
感情制御
自伝的記憶の概括化
抑うつ
NDC分類
心理学 [ 140 ]
言語
日本語
資源タイプ 紀要論文
出版者
広島大学大学院教育学研究科心理学講座
発行日 2008-03-31
出版タイプ Version of Record(出版社版。早期公開を含む)
アクセス権 オープンアクセス
収録物識別子
[ISSN] 1347-1619
[NCID] AA11616129