歳差運動の物理学

アクセス数 : 3190
ダウンロード数 : 29960

今月のアクセス数 : 11
今月のダウンロード数 : 4
ファイル情報(添付)
Refprecess_18(1).pdf 1000 KB 種類 : 全文
タイトル ( jpn )
歳差運動の物理学
作成者
抄録
分子分光学におけるHund's caseの解説の中で必ず出てくるのが,電子軌道角運動量Lやスピン角運動量Sの分子軸まわりの歳差運動の話である。多くの本で,各case間の相違が,「各角運動量の分子軸方向への"カップリング"の程度の違い」として表現されているが,そもそもこのカップリングというものが一体何かということが,分光学のバイブルともいえるHerzbergの本あたりでもあまり明確に表現されていない。Bingelのテキストは,分子軸まわりの歳差運動の周波数の大小関係という切り口で,(Herzbergよりも)丁寧に物理的な説明を与えており,比較的理解しやすいものであるが,カップリングの由来に関する説明は十分なものではない。さらに,LやSの分子軸まわりの歳差運動の他に,分子軸自身の全角運動量まわりの歳差運動の周波数もHund's caseの決定に必要な材料となるが,この周波数の出所・導出も明記されていない。例えば,分子軸まわりの角運動量がP_zであれば,その軸まわりの回転周波数は|P_z|/(2πI_A)ではないかと考えてしまうが,実はこれは誤りであり,Herzberg自身も「not simply |P_z|/(2πI_A)」と注意を付けた上で,(1/2π)((1)/(I_A)-(1)/(I_B))Pzであると書いている(Vol. II, p 23)。さらに,分子軸が全角運動量ベクトルのまわりを歳差運動する周波数が|P|/(2πI_B)で与えられるとも書いているが,なぜ全角運動量を分子軸に垂直な慣性モーメント(I_B)だけが担っている運動量であるかのように計算してよいのか,という点に関する説明はなく,読者は戸惑うことになる。本書は,上記のポイントの理解を助けるために書かれたmonographである。
著者キーワード
歳差運動
磁気モーメント
磁気回転比
カップリング
Hund's case
Eulerの方程式
内容記述
第18版第1刷
NDC分類
化学 [ 430 ]
言語
日本語
資源タイプ 図書
出版者
漁火書店
権利情報
Copyright (c) 2024 by Author
アクセス権 オープンアクセス
日付
[作成日] 2024-04-28
収録物識別子
第6版(2005)
第8版(2009)
第9版第2刷(2012)
第9版第3刷(2012)
第9版第4刷(2012)
第9版第5刷(2012)
第9版第8刷(2018)
第9版第10刷(2019)
第9版第12刷(2019)
第10版第6刷(2019)
第11版第3刷(2020)
第11版第4刷(2020)
第11版第6刷(2021)
第13版第2刷(2023)
第14版第1刷(2023)
[URI] http://home.hiroshima-u.ac.jp/kyam/pages/results/monograph/