広島大学心理学研究 Issue 2
published_at 2003-03-28

時間に関する2つの知識の使い分けへの物理の授業及び直接的な教示の効果

Effects of physics lessons and direct instruction to suitable use of two kinds of knowledge about time
Uchimura Hiroshi
Matsuda Fumiko
fulltext
757 KB
hpr_2_95.pdf
Abstract
高校生に同方向に等速直線運動する2つの動体の映像を見せ,その走行時間について比較判断させた。その結果,高校生の時間概念について次のような傾向が明らかになった。(1)高校生の時間の比較判断において, 「時間=終了時刻一関始時刻」と「時間=距離/速さ」の2つの知識の適切な使い分けが困難である。また,後者の知識のほうが活性化しやすい。(2)高校物理における速さの学習は,運動刺激事態での時間の比較判断にはほとんど影響しなかった。(3)動体刺激を提示しながら時間の比較判断について直接的に教示した場合は,「時間=終了時刻一関始時刻」という知識の適用が活性化された。
Keywords
認知発達
時間判断
高校生
物理
Rights
Copyright by Author