日本は世界一の長寿国として知られている.その関連因子を探るため,さまざまな視点から研究されている.本研究は2000年における都道府県別の平均寿命,世帯における夫婦の就業状況,医療資源,医療費,栄養素摂取量などの指標を用い,日本人の平均寿命と関連する因子を明確にすることを目的にした.その結果,就業状況は男女の平均寿命と関連していることが示唆された.特に,男性の関連因子のなか,就業状況との関連性が最も強かった.医療指標に関しては,女性において,医療資源の充実は長寿につながることが示唆された.その他,男性において,生活習慣の一部を反映する指標は関連因子になった.女性では,栄養に関する指標は重要な関連因子の一つと考えられた.さらに,喫煙は男女の平均寿命と負の関連があったことも示唆された.