広島大学保健学ジャーナル Volume 11 Issue 1
published_at 2012-12-31

在宅酸素療法を行う慢性呼吸不全患者の教育に関わる看護師への教育介入の効果 <原著>

Effects of an educational intervention for nurses who involved in educating patients with chronic respiratory failure undergoing home oxygen therapy <Original Articles>
Takahama Asuka
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2.71 MB
JHSHU_11-1_29.pdf
Abstract
本研究は,看護師が,在宅酸素療法を行う慢性呼吸不全患者の病いの経験や語りを学ぶことによって患者理解を深め,かつ行動変容の原理に基づいて教育ができるように,看護師に対して教育介入を行い,その効果を検討した.

病院に勤務する看護師33人を対象に, 「慢性病患者の理解」「認知行動療法を活用した教育方法」「息切れを軽減させる方法」について,これらの「知識」「技術」「関心」の向上を目的とした教育介入を行い,介入前後でその効果の比較を行った.

最終分析対象者は27人(81.8%) であった.介入前と介入1ヵ月後の比較において知識に関する自己評価得点は有意に上昇したが,技術得点では有意差がなかった介入直後の関心得点はいずれの内容に関しでも高かった.講義の内容を臨床で実践した者には,患者の反応や自分自身の変化を認めた.講義の感想では批判的に振り返りを行った者や自己の教育に対し課題を見出した者もいた.

以上より本教育介入は,看護師の知識の習得には効果があったが技術の獲得には結びつかず,より多くの看護師が実践できるようになるには講義の組み立てを検討する必要があることがわかった.さらに,今後は,評価方法や評価時期も検討する必要がある.
Keywords
看護師教育
患者教育
慢性呼吸不全
nurse education
patient education
chronic respiratory failure
Rights
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