広島大学保健学ジャーナル 1 巻 1 号
2001 発行

改良Zancolli分類による頚髄損傷者のADL自立の可能性

Possibility of Independence in ADL for Patients with Cervical Spinal Cord Injuries-An Evaluation based on the Modified Zancolli Classification
吉村 理
前島 洋
小林 隆司
峯松 亮
佐々木 久登
田中 幸子
金村 尚彦
白濱 勲二
上田 健人
上田 千絵
渡辺 誠
矢田 かおり
宮本 英高
森山 英樹
加藤 浩
河元 岩男
全文
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Hirodai-Hokengaku-J_1-1_73-77_2001.pdf
Abstract
頚髄損傷の評価では,頚髄の損傷の程度と損傷高位が重要である.米国脊髄損傷協会は,脊髄損傷の障害の評価法を発表し,脊髄損傷の神経学的および機能的分類のための国際基準として現在国際的に使用されている.しかし可能性に挑戦するリハビリテーションとしては,より詳細な高位分類が必要である.Zancolli分類は頚髄損傷四肢麻痺の上肢機能を細かく分類し,リハビリテーションからみても車椅子ADLが自立する可能性のあるC6を細かく分けているのは有用である.しかしマット上基本動作,移乗・移動などの動作が自立するか否かの判断に重要な肩甲帯筋群の評価がない.従来肘伸展筋である上腕三頭筋はC7髄節筋であるが,Zancolli分類ではC6髄節残存群のサブグループとしているのは混乱をまねく.そこでZancolli分類を改良し,損傷高位別の機能到達目標を決定するための評価表を作成し,ADLが自立する可能性について検討した.改良Zancolli分類でみるとC6BⅡが車椅子ADL自立の境界レベルである.
著者キーワード
頚髄損傷
ADL
改良Zancolli分類
Cervical spinal cord injuries
Activities of daily living
Modified Zancolli classification