脊髄損傷初期における麻痺骨格筋線維の形態学的,生化学的変化を検討する目的で脊髄損傷動物を作成した.ラットヒラメ筋のATP-ase染色では,術後1,3,5週とタイプⅠの線維が著しく減少し,タイプⅡが増加した.電気泳動解析では,Myosin Heavy Chain (以下,MHCとする) Iアイソフォームが有意に減少し,同時にMHCIId,MHC IIb アイソフォームが出現した.脊髄損傷による廃用性筋萎縮により,ヒラメ筋では筋線維レベルにおいても筋原線維タンパクレベルにおいても,slowtypeからfast typeへ変換することが示された.