食品の加工,貯蔵のための物理的,化学的処理に伴なって,食品中に存在する微生物がどのような影響を受けるかを推察する目的で,今回は腸球菌を用いて比較的高い濃度のNaClの存在下における温度感受性を検討した.その結果,①低温域(0°C以下)では死滅を律速する要因はNaCl濃度変化よりもむしろ温度変化に大きく依存することが判った.
②低温域における腸球菌の死滅は速度の異なる2種類の一次反応から成り,k1に依存することが判った.
③低温処理したS. faecium (A)はNaN3に対して強い感受性を示した.