フランス語は、日本の学習者に難しいと思われている言語であり、このように感じられている事実に直面し、教師はしばしば、彼らが望む到達レヴェルを低く設定しようとする。われわれは逆に、このような選択が学習者の意欲をより喪失させると考え、別の手段をここで提案する。つまり、効果的な学習法とその結果が直ちに得られることで学習者の意欲を掻き立てるという手段である。本稿では、学生の意欲を改善するために、一見相入れないように見えるが実は相互に補完し合う関係にある、二つの課題に正面から取り組む方法について考察する。それは、語彙と文法に関する内容を必要最低限にとどめ、その代わりに、コミュニケーションにおいて到達させたいレヴェルを引き上げることである。この奇妙な矛盾を解く鍵が、習得段階である。この方法が、教師や方法論の発案者たちによって、広く適応されているとしても、各習得段階における原則は、あまりにも多くの場合、厳密さを欠いている。到達すべき目標が、大抵大雑把であったり、到達するために必要な学習内容の選択が一貫していないせいで、学習者が、結果的に余計な努力を払う結果となってしまうのだが、そのような努力は、とりわけ短期間での習得をめざす場合には、なくて済まされうるものなのである。