高等学校1年生総合理科の課題研究として「空気抵抗のある物体の落下運動」を取り扱った。課題研究に人る前に, 素朴概念についての調査を行なった。その結果, 生徒は空気抵抗は物体の質量には関係せず, 物体の大きさによって決定すると考えており, 物体に運動についても, 重力との合力で考察することができず「空気抵抗が大きなものほどゆっくりと落ちる。」という結論を持っていることが分かった。調査結果を生徒に示し, 空気抵抗の特徴の仮説を班討議させ, 実験で検証した。実験で使用したコンピュータを利用した計測装置は自作した。予備調査, 仮説の設定, 実験, まとめという流れの各段階で討議を繰り返すことで, 生徒の興味関心が高まり, 科学的態度の育成へとつながったと考えられる。